女性も離婚後すぐに再婚できる｜2024年度改正施行
離婚後すぐに再婚したい場合、これまでは再婚禁止期間が設けられていたことから、女性のみ再婚禁止期間が６か月間設けられていました。
しかし、令和6年4月1日に民法の改正法が施行され、女性の再婚禁止期間が撤廃されているため、現在は、離婚後直ぐに再婚することが可能となっています。
これまで女性だけに再婚禁止期間が設けられていた理由は、子の嫡出推定の関係です。 子は女性から生まれますが、６か月以内の子の出産は、離婚した元の父親の子か、新しい交際相手（男性）の子か不明となりかねず、DNA関係などをしないとどちらの子か判明しない煩雑な状態を避けるためでした。
「子の誰が父親が誰か分からない」という子の不安定な状態を避けるために、従来は、①「婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定する。」、②「婚姻の成立の日から２００日を経過したあと、または婚姻の解消もしくは取消しの日から３００日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」と規定していました。
しかし、令和6年4月1日からは、嫡出推定の規定が次のとおり（民法772条）に変更され、子の不安定な状態を避けるようにされました。
①「妻が婚姻中に懐胎した子は、当該婚姻における夫の子と推定する。女が婚姻前に懐胎した子であって、婚姻が成立した後に生まれたものも、同様とする。」
② 「前項の場合において、婚姻の成立の日から200日以内に生まれた子は、婚姻前に懐胎したものと推定し、婚姻の成立の日から200日を経過したあと、または婚姻の解消もしくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。」
あくまで子の不安定な状態を避けるための推定規定のため、父親がDNA鑑定で異なる場合は、嫡出否認の調停や訴訟などを提訴し、子の父親を変更することが可能です。
なお、これまで嫡出否認は、父親のみの権利でしたが、母親や子も嫡出否認の調停や訴訟を起こせるようになりました。
現在は、DNA鑑定の精度が高く、子の実父か否かを判断するハードルは下がったと言えます。
子の父親が違うなどの理由で、お悩みの方は、みずほ綜合法律事務所へお気軽にご相談下さい。
